ホーム » 乗馬 » 人馬一体の美しさを競う琉球競馬ンマハラシー

ンマハラシーって何?

ンマハラシーとは、沖縄が琉球王国と呼ばれていた時代から、戦前までの約300年間もの長期間にわたって行われていた琉球競馬のことです。
当初は琉球王国の貴族が嗜む遊びでしたが、少しずつ庶民にも浸透し、最終的には庶民にも親しまれるような娯楽となりました。
沖縄県の中には150以上のンマハラシー会場がありましたが、太平洋戦争がはじまると日本軍が競技用の馬たちを戦争に徴用したため、そこで一旦歴史が途絶えてしまいます。

しかし時代が進み、2013年に有志たちの働きかけによって、約70年ぶりにンマハラシーは復活を遂げました。
現在は若い世代にもその文化が浸透し始めており、琉球大学にある馬術部では、学生たちが地元の方の馬を駆りながらンマハラシーの練習をしているそうです。
この琉球競馬ンマハラシーを復活させた有志である沖縄こどもの国は、現在もイベントをおこなっており、複数の出場団体によるンマハラシーが沖縄の大きなイベントの1つとして開催されています。

ンマハラシーは、競馬と言っても馬の速さだけでなく、側対歩と呼ばれる特殊な走り方とそのぱっかぱっかという独特なリズムや人と馬の一体感、そして馬の姿勢などが審査の対象となります。
ルールとしてはとても単純で、赤と白に分かれた馬が走り、華麗な演技をした方の勝ちとなります。
審判はゴール地点に立っており、スタートからゴールするまでの様子を審査するという流れです。

特に特徴的なルールとしては、馬が駆け足になったら即失格ということです。
つまり通常の競馬で見られる、馬本来の全速疾走が禁止というわけです。
この時点で、通常の競馬とはだいぶ様子が異なることがよくわかるのではないでしょうか。
勝敗のつけ方がなかなか素人にはわかりづらいですが、イベント時にはきちんと解説・実況をしてくれる方がいるので、詳しいルールが分からなくても楽しむことができるようになっています。

沖縄の伝統衣装であるなどで知花花織の羽織袴着飾った騎手と、おめかしした馬が呼吸を合わせて走る姿はとってもほほえましいと評判です。
一部ではまるでフィギュアスケートのようだと評されるほどの美技の伝統文化を、是非一度鑑賞してみてください。

ンマハラシーのテクニック

ンマハラシーでは、人馬一体の美しさが高評価を得るポイントになります。
騎手の方の上下動作が少ない落ち着いた走りであるイシバイや、地走りと呼ばれる、ゆったりとしていてかつ細やかなジーバイ走法を保つことができているかが着目されます。
通常の競馬と異なりスピード感のある種目ではありませんが、緩やかなペースを保って走る馬と騎手の絆の深さが垣間見えたり、高度な乗馬技術が見られたりする、とても見どころのある競技となっています。